ザイザルとジルテック
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
昨日の続きです。
昨日、「抗ヒスタミン薬の効き目はどれも横並び」と書きました。
が、もうちょっと詳しく正確に言うと、実は一つだけ頭少し抜き出てる(はずの)薬があります。
「ザイザル」という薬です。
この薬は以前から発売されている「ジルテック(ジェネリック薬ではセチリジン)」という薬の進化型なのです。
どこがどう進化しているのかをご説明するには、ちょっと専門的なお話になります。
「光学異性体」というものあります。
化学物質の構造が、右手と左手のように同じ形だけど決して重なり合わない形のものを光学異性体と呼ぶのです。「鏡に映せば重なり合う形」とも言えます。
ジルテックは右手構造も左手構造も両方入っている薬です。
これに対して、ザイザルは(例えて言うなら)左手構造だけを集めた薬なのです。
右手構造も左手構造もどちらも効き目はあるのですが、特に左手構造のほうが効き目が強いと解ったので左手構造だけを集めて薬にするという発想です。
ただ、頭少し抜き出てる「はず」と書くには訳があります。
ジルテックは一錠10 mgなのですが、ザイザルは半分量の5 mgです。
メーカーの説明では、「効果が強いので容量を減らせた」と言うのですが、
それだとジルテック10 mg = ザイザル5 mg + ジルテックの左手構造5 mgとなって、まるでジルテックのほうが効果が強いように聞こえるのですが・・・。
明日も続きます。