感染症とがん
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
厚生労働省発表の「日本人に推奨できるがん予防法」の8番目に挙がっているのは、
「がんを引き起こすウィルスや細菌への感染を予防する」です。
B型肝炎ウィルスとC型肝炎ウィルスによって慢性肝炎になると肝臓がんになる確率が上がります。
どちらも、一度肝炎ウィルスにかかったら、必ず肝臓がんになるわけではありません。急性肝炎だけで治ってしまうこともあります。
しかし、慢性化すると、一定の割合で肝硬変になり、最後は肝臓がんができてしまうことが多いのです。
今は積極的にウィルス性肝炎の治療が可能になりました。
ちなみにA型肝炎は慢性化することがありませんので、がんとは関係ありません。
次に、がんを引き起こすウィルスと言えば、ヒトパピローマウィルスです。
このウィルスはもともとイボのウィルスですが、感染により子宮頚がんの確率が上がります。
なので、女の子にパピローマウィルスのワクチンを打つことで、子宮頚がんの一部は予防できるようになりました。
最後に、がんを引き起こす細菌と言えば、ヘリコバクター・ピロリ菌です。
胃の中に住み着き、胃がんの確率を増加させます。除菌薬がありますので、お気軽にご相談ください。
肝炎ウィルスにせよ、ヘリコバクタ・ピロリにせよ、病原体を排除したからと言って、肝がん胃がんの確率がゼロになるわけではありません。なので、除菌後も定期チェックは受けるのがお勧めです。