症状に合わせた風邪薬
[2018.02.23]
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
後鼻漏(こうびろう)の話の続きです。
鼻炎になっていて、鼻粘膜の鼻汁分泌の量が増えると、前に流れ出す鼻水も増えますが、後ろに流れる後鼻漏も増えます。
後鼻漏がのどの壁を流れて落ちて行くのを自覚できる方もいらっしゃるのですが、自覚できないことも珍しくありません。
自覚がない後鼻漏が常に垂れ込んでいると、梨状窩に溜まって、ある程度の量が溜まるとのどの違和感として自覚されるようになります。そこで、えへんと咳をすると口に出てくるわけです。
世間では一般的に、「のどに気持ち悪いものが溜まって、咳をすると出てくること」を「痰」と呼びます。しかし、上記の場合は、気管支炎症状は無く、気管や肺からの分泌物ではないので、医学的には「痰」ではないのです。
なので、「ふだん咳はまったく出ないけど、鼻水があって、咳払いをすると痰が出てくる」という症状の場合は、ひょっとしたら痰ではなく後鼻漏なのかも知れませんね。そんな時は気管支炎に対するお薬は必要ありません。
当院では、同じ「上気道炎」や「風邪症候群」という病名でも、出来合いの総合感冒薬ではなく、お一人お一人のその時の症状に合わせて調合を変えています。