腕まくりによる動脈圧迫
[2017.03.10]
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
前回の続きです。
動脈を外から強く圧迫していると血圧は正確に測れません。
肘の内側の上腕動脈で血圧を測るとき、テニスボールを腋の下にはさんで、ぐっと脇を締めて測ってみてください。
どうでしょう?自動血圧計がエラーになったり、ちょっと普段では見ないような低い値(たとえば、70 / 53とか)になったりしていませんか?
腋の下には、腋窩動脈という動脈があります。
テニスボールを腋にはさむと腋窩動脈が圧迫されてそこから先の動脈内の圧が下がります。上腕動脈は腋窩動脈の続きですので、上腕動脈ではちゃんとした圧が測れなくなるのです。
腕まくりするとこれと同じことが起こる可能性があります。
袖口の狭い服を肘の皮膚が出るまで腕まくりすると、肘より上の部分がきつく締まってそこにある上腕動脈が圧迫されるかもしれません。
完全に圧迫してしまって血液が伝わっていない状態になっていれば、血圧はおろか脈すら触れませんので自動血圧計はエラーになって測れませんが、中途半端に圧迫されて低い圧で伝わっている場合、不正確な圧として数値は出てしまうのです。
ですから、血圧を測るとき腕まくりをしてはいけません。
これは自動血圧計でもそうですし、病院で医者や看護師が測る場合でも同様です。
次回に続きます。