酒は百薬の長ではない
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
「酒は百薬の長」と言いますが・・・。残念ながら、ぜんぜん「長」でもなければ「薬」ですらありません。
純アルコール量にして25 mlくらいまでなら、抹消血管が少し拡張して血流が良くなります。なので、純アルコール量25 mlくらいまでなら全く飲まない人に比べて狭心症の確率は少し減るというデータがあります。
純アルコール量というのは「そのお酒の中にどれだけアルコールが入ってるか」という量です。
たとえば、ビールはだいたいアルコール5%なので、500 ml缶1本の中に500 x 0.05 = 25 mlのアルコールが入ってるわけです。
つまり、一日にビール1缶までなら少し狭心症の可能性は減ります。しかし、その量を越すと逆に確率は上がっていきます。
さらに、アルコールは口腔がん・咽頭がん・喉頭がん・食道がん・肝臓がん・乳がん・結腸がんの危険因子です。
お酒を飲む人は上記のがんの確率が全く飲まない人に比べて高いのです。しかも、がんに関して言えば、アルコールの安全領域はありません。一滴でも飲めば、量に比例してがんの確率は上がっていきます。
アルコールは体内で分解されるとアセトアルデヒドという発がん性がある物質に変わります。
飲んで顔が赤くなる人はそのアセトアルデヒドを分解する酵素を持ってない人なので、発がん物質が分解されずに長い間体内を回ってしまうのです。
顔が赤くならない人も、分解はできるので時間は少し短いですが、発がん物質が体内を回ることに変わりありません。
私もお酒は好きですし、発がん性があるから一滴も飲んじゃダメとまでは思いません。ただ、飲み過ぎないようしないといけませんよね。