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胸のレントゲンで解ること

[2015.06.17]

こんにちは。

東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。

 

胸のレントゲンを撮って、「レントゲンは正常ですよ」と説明を受けたとします。

全ての肺の病気は完全に否定されたのでしょうか?

 

残念ながら、そうではありません。

レントゲン上は正常に写ってしまう肺の病気はたくさんあるのです。

 

「レントゲン正常」と言われたら、肺炎や結核は大丈夫であることが多いです。(それでも、レントゲンに写らない肺炎もあるのですが・・・。)

 これに対して、気管支炎や喘息はレントゲンが正常に写ってしまう病気です。レントゲンだけでは診断できません。

 

では、肺がんはどうでしょうか?

「だいたい大丈夫」と不確かなお話しか出来ません。

 

胸のレントゲンは身体の後ろからX線を当ててフィルムに写った影絵のようなものです。胸の真ん中には心臓があり、実は心臓を回り込むようにしてその後ろ側にも肺は存在します。

 

運悪く、心臓や横隔膜や心臓から出ている大きな血管の裏に腫瘍ができると、影が重なってしまって早期から発見できない可能性を否定できません。

 CTを撮れば、裏に隠れている腫瘍を見つけることはできますが、被爆量という観点から検診で毎年受けていただくわけにはいきません。

胸部レントゲンによる肺がん健診は、まったく意味がないわけではないけれど、がん健診として完璧ではないのです。 肺がん検診として胸部レントゲンを採用している自治体と採用していない自治体が存在するのはそういう理由なのです。

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