三叉神経の放散痛
[2016.06.18]
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
昨日の続きです。
「三叉神経の放散痛」による頭痛というものもあります。
三叉神経というのは顔の知覚を担っている神経です。
その名の通り、三本に枝分かれしており、
第一枝は目の上から頭頂部まで
第二枝は目の下から口の上まで
第三枝は下顎の知覚を担っています。
放散痛というのは、実際に病気がある場所と離れた場所に出る痛みのことを指します。
有名な放散痛は、「心筋梗塞時の肩の痛み」などです。
しかし、この放散痛、医学的にはメカニズムがまだ充分に解明されていません。いませんが、日常の診療でしばしば経験する症状の一つです。
三叉神経も放散痛を出しやすい神経のように思えます。
たとえば、「歯周病による歯の痛みで頭痛が起きる」だとか、「外耳道の炎症の所為で頭痛が起きる」などです。
歯茎も外耳道も一部三叉神経領域なので、それによって三叉神経第一枝領域の頭痛が出ているのかもしれませんね。
三叉神経領域に何らかの炎症があって、ズキンと一瞬だけ痛むような頭痛がある場合は、三叉神経の放散痛を疑います。これはあまり「怖い頭痛」である可能性は少なく、原因疾患の治療と頓服で痛み止めを使って様子をみれるでしょう。
次回に続きます。