測るたびに違う血圧
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
「うちの血圧計、測るたびに値が違うので不正確なんですよ」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
確かに、本当に不正確なのかもしれません。一度、ご持参いただいて、院内の血圧計と同時に測定してみましょう。院内血圧計は定期的に校正に出しています。
しかし、毎回、値が違う血圧計はもれなく壊れているのでしょうか?
いや、そうとは限らないのです。実は、毎回違うほうが普通なのです。
心臓は血液を送り出すポンプです。しかし、モーターポンプのようにずっと一定の圧で送り出すのではなく、送り出す圧が変動しています。
心臓がぎゅっと収縮した時に血圧は上がり、心臓が次の収縮のために血液を溜め込む時、血圧は下がります。
この収縮した時の血圧が「上の血圧」であり、拡張した時の血圧が「下の血圧」です。
つまり、一拍一拍の心臓の収縮のたびに血圧は上がって下がってを繰り返しています。
心臓は、一生休むことなく収縮と拡張を繰り返す、非常に高性能なポンプではありますが、さすがに少しの変動もなく一定の圧で血液を送り出すことは出来ません。送り出される側の動脈の状態も、血液を心臓に返す側の静脈の状態も、刻々と変動するものですし。
なので、一拍一拍の脈は毎回少しずつ圧が違うのが普通です。
測るたびに10 mmHg以内の変動は、あることのほうが一般的なのです。
「でも、10 mmHgじゃなくて、もっと大きく違うんですけど・・・。」
確かに、測るたびに大きく変わる方もいらっしゃいますね。
明日も続きます。