適正塩分量?
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
昨日の続きです。
熱中症の予防には「水分のみならず塩分も必要」というのも一般的によく知られている話です。
しかし、昨日書いた適正水分量以上に、適正塩分量を推測するのは非常に難しいのです。
かいた汗の量は前後の体重比較でおおまかに推測することは可能です。汗でべとべとのウェアを着たまま測った体重では意味をなしませんが。
ところが、汗で出た塩分量は測りようがありません。
もし、汗の塩分濃度が一定ならば、汗の量に濃度を掛ければ、喪失した塩分を計算できます。しかし、汗には薄い汗もあれば濃い汗もあり、塩分濃度が一定ではありません。
「熱中症予防には、水やお茶よりもスポーツ飲料を」というのも一般的によく言われます。
これは、嘘ではありません。嘘ではないのですが、スポーツ飲料を飲んでいれば熱中症にならないという訳ではないのです。
スポーツ飲料が勧められる理由は、ナトリウムという塩分が含まれているからです。
しかし、ナトリウムの摂り過ぎは血圧を上げたり腎臓に負担を掛けたりします。もともと高血圧の方や腎機能障害のある方は、ナトリウム制限をお願いしているくらいです。
なので、どういった人が飲むか解らないスポーツ飲料のナトリウムは、非常に控えめになっています。多過ぎて健康被害が出ると困るからです。
熱中症予防の適切な塩分摂取量、これは実は非常に難しい問題なのです。