「自称健康人」
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
血圧の基準値改定の続きです。
ちなみに、前回お話しした日本人間ドック学会が「健康人」を抽出するためのアンケートの内容ですが。
既往歴に悪性腫瘍、慢性肝疾患、慢性腎疾患などのない者、ないしは入院歴のない者
退院後1ヶ月以上経過している者
現病歴で下記の事象がない者「薬物の常用(高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの疾患の治療のため)」「B型肝炎あるいはC型肝炎」
BMI値が25未満
喫煙なし
飲酒1合/日未満
です。
つまり、病院が嫌いで一度も受診したこと無くてタバコ吸わなくて太ってなくてお酒が少々の人は全て「健康人」という判断です。
これは、ちょっと無理やりすぎます。
高血圧症という病気は、かかり始めはほぼ無症状の病気です。稀に高血圧脳症と言って、頭痛などが出ることもありますが、大多数の方は何も症状が無く、健康診断で見つかることが多い病気です。
何も症状がないからと言って、身体の中で何も悪いことが起きていないとは限りません。
血圧が高いまま放置していると、知らないうちに動脈硬化の進行が早くなり、生まれて初めて出た症状が「いきなり左の手足が全く動かないので救急車を呼んだ」ということも珍しい話ではないのです。
自覚症状の無い病気の診断の根拠に、自覚症状のアンケートを使ったことが、日本人間ドック学会のスットコドッコイな所ですね。
明日も書きますね。