自然治癒力
[2016.11.04]
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
「病気の天秤」の話の続きです。
「自然治癒力」とか言うと、なんだか胡散臭い嘘サプリメントの宣伝のようですが、そんな話ではありません。
手に怪我をして、その部分の皮膚の細胞がなくなっても、皮膚細胞は分裂・再生して、ゆっくりと傷は治っていきます。
お酒を飲んで、アルコール性肝炎になってしまっても、アルコールを止めれば肝臓の細胞は分裂・再生して、また肝炎じゃない状態まで戻ることが出来ます。
もちろん、限度はあります。徹底的に肝臓を傷めてしまって、もう後戻りできないところまで行ってしまうと、その後になってアルコールを止めても肝臓が元通りにならないこともあります。その状態を肝硬変と言います。
癌ですら、「自然治癒力」である程度までなら対応できます。
実は、我々の身体の中では、毎日のように知らないうちにいろいろなところの細胞が癌化しているのです。しかし、NK細胞という免疫の細胞が、毎日ちょこちょこできる細胞レベルの小さな癌はしらみつぶしにやっつけてくれるので大きな癌にまで育たずに済んでいるのです。
明日も続きます。