自然治癒力を左右する要素
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
「病気の天秤」の話の続きです。
「胃潰瘍の天秤」の右の皿には、「自然治癒力」という大きなオモリが普段から乗っているのです。
ですから、少々「ストレス」というオモリが左の皿に乗ろうが、「タバコ」というオモリが左の皿に乗ろうが、天秤は左に傾かず胃潰瘍にはなっていなかったのです。
しかし、右の皿に乗っている「自然治癒力」というオモリは、ちょっとしたことで軽くなることもあります。
寝不足が続いているとか、何か他の病気にかかって体力が落ちるとかで、右の皿の「自然治癒力」が軽くなってしまうと、なんとかそれまで左の皿のさまざまなオモリに負けずに右に傾いていた天秤が、ある日突然、左に傾き出してしまうと胃潰瘍を発症するのです。
そんな場合、病院では「胃酸を抑える薬」や「粘膜保護剤」などの治療薬を右の皿に乗せて、天秤を右に戻そうとします。
ところが、左の皿に「タバコ」という大きなオモリを乗せているままでは、一旦左に傾いた天秤がなかなか右に戻らないこともあります。「自然治癒力」というオモリも、よほど重症の基礎疾患でもない限りゆっくりと重さを取り戻すでしょう。
いずれは元通り天秤は右に戻ってくるはずです。しかし、早く天秤を右に戻そうと思えば、やはり左の皿から「タバコ」を取り除き「ストレス」を取り除きするほうが早いのです。
明日も続きます。