宿便のウソ
[2015.04.10]
こんにちは。
東大阪市 布施駅前 岸川医院の岸川です。
世間でよく聞く「宿便」。
実は、これ、全くのウソです。
「宿便」とは腸のヒダの間に溜まって、通常の便通では出ない便のことを言うようです。しかし、そんなものは絶対あり得ません。
鉛の管にヒダがついていたら溜まってしまうかも知れませんが、腸は非常に柔らかく、しかも常に動いています。ヒダが蠕動することで食べ物を送り続けているのです。
しかも、一日で分泌される消化液は、なんと10リットル。
10リットルもの液と食べ物が混ざって、一旦しゃばしゃばの状態になります。しゃばしゃばじゃないとその中から必要な栄養素を吸収しにくいからです。
そんなしゃばしゃばが、動いていて軟らかく液をどんどん分泌し続けている消化管の壁にこびつきようがありません。
大腸の後半になってくると水分も吸収されて徐々に固形になってきますが、それでも大腸も動いている軟らかいヒダであることには変わりなく、こびりつきようがないことは同じです。
聞いた話では「宿便を落とす」という何万円もする薬があるそうです(もちろん、厚生労働省が認めた薬にはそんな効能の薬は存在しません)。医者の目から見るとその薬は完全に詐欺です。
どうか、そんな詐欺に騙されないようにしてください。